【完】ボクと風俗嬢と琴の音

ユカリたちは何も悪くない。
大輝だって山岡さんだって悪くない。
もちろん、ハルだって悪くない。


けれど一気に押し寄せてきた感情の波は止まらなかった。




「なんなん?!勝手に決めて!
うちら以外の人は家に上げんて決めとるやろ!

それに琴音を見たいなんて口実やないの?!
港区女子なんて言って男漁りしとるただの尻軽女やん!」




これは、八つ当たり。
しかも最低最悪な
自己中我儘馬鹿女のただの嫉妬から出た。


地雷を踏んだ。爆発はもうすぐそこまで
だってこんなに一緒にいたけど、ハルのこんな怒った顔、初めて見たんだもん。



「謝れ」



そして冷たく一言だけ言い放つのだ。


「晴人くん、いいよ。
やっぱりわたし帰る。琴子ちゃん、ごめんね。琴子ちゃんちでもあるもんね」


ごめんね、って言わなくちゃいけないのはわたしの方なのに…。
それでも山岡さんの顔が見れなった。嫉妬に狂った馬鹿女のこんな顔、見せたくなかった。


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