【完】ボクと風俗嬢と琴の音


…だから何もしてねぇーよ!!!



早く帰りたい…。
大体苦手なんだよなぁ
いかにも出会いにきました!っていうこういう雰囲気も
男女の駆け引きとか
ドラマチックな運命を夢見る歳じゃないのなんてとっくに分かってる。
女々しいかもしれないけど
将来を共にするかもしれない女の子と
こういう場所で出会いたくない。



…って考えていて自分で気持ち悪くなってきた。




「「はぁーーーーー」」




その時


大きなため息が


まるで綺麗にハモッたように


重なり合った。




目の前に座る、琴子と目が合った。
猫のような切れ長の瞳が、全く笑っていなくて
少しだけ緑ががかった瞳はカラーコンタクトなのか、琴音の瞳の色と一緒だった。
まるで全てを見透かしたように人をジィっと見据えるところも琴音と似ていた。




猫みたいな女の子。


笑いもせずに不愛想なままで「デカ……」とこちらを見て呟いた。




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