【完】ボクと風俗嬢と琴の音


実は優弥の言葉を考えて
頭の中を1回整理して、それを噛み砕いていってみたら
もしかして、とひとつの答えに辿り着いたんだ。



琴子も俺と同じ気持ちでいてくれているのかもしれない。と

けれど琴子のお兄ちゃん宣言によってその希望的観測も打ち砕かれた。
やっぱりただの自惚れ。
だって出会ったばかりの頃に言われたし’全然タイプじゃない’って
俺も、琴子の事は全然タイプじゃなかった。出会った頃は。

今もタイプとは言えない。



だって俺のタイプは昔から統一されていて
ふわっとしていて、女の子らしくて
可愛くもあるけど綺麗系で、女優のあの子やアナウンサーのあの人みたいな
艶々の落ち着いた髪色で、スタイルがすらりとしていて、言葉遣いが綺麗系で
ピンク色のチークとリップが似合う、薄化粧の、そう君みたいな




「何、ぼぉーっとしてるんですか?」


「うわぁッ!!!!」


俺の顔を覗き込んだのは、山岡さんで
悲鳴のような声を思わず出してしまった。
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