【完】ボクと風俗嬢と琴の音
首を上げて、大きな俺を上目遣いで見つめる仕草。
その隣で琴音も同じ格好をしてこちらを見上げた。
なんて可愛い光景ッ。
「どうしたと?」
そして琴子が不思議そうに首を傾げたら、琴音も首輪の鈴を小さく鳴らして、首を傾げている(様に俺には見えた)
「琴音ーーーーーーッ」
抱き上げて顔を擦り付けると、琴音は迷惑そうに前足で俺の顔を押しのけた。
そしてすぐに俺の胸から降りたかと思えば、必死に自分の体を舐めだす。
バイ菌かよ…。
最近琴音が冷たい。
よっぽど琴子に懐いているように見える。
最近ご飯を貰っているのが琴子からだからだろうか。
猫の心なんて…所詮。
「ねー食べてみてや…」
「ああ、ごめん、食うよ。でも俺結構固めのオムライスも好きだよ。
それときっと琴子のオムライスが固くなってしまうのは卵を引き上げる時間が遅すぎるからだよ。
半熟って時点でもう火を止めてしまえば、ふわふわのオムライスが出来ると思うけど」
「ほぉ~なるほど、勉強になる。
まぁいいと、お腹空いてるやろ?早く食べよ」