【完】ボクと風俗嬢と琴の音


「はは、謝ってやんの!!
あなたって自分が悪くなくても謝っておけばその場が収ればいいやって思ってるタイプでしょ?」


空笑いする彼女の言葉が、胸をグサッと突き刺していく。
確かに俺は今彼女に悪態をつきながら、悪いと思ってもいないのに謝った。
それは幼い頃からの自分の悪い癖で、良くないところだって分かっている。


「身長は150センチちょっと。
両親とも160センチないくらいだし
お兄ちゃんも男のくせに170ないから
身長って遺伝だと思ってる!牛乳飲んでもちっとも伸びやしなかったもん!」


「あ!それ分かる!
俺は小さい頃から牛乳が大嫌いで一切飲まなかったし
母親も父親も背がでかいし!」


「でっしょ~?!
絶対身長って遺伝が関係あるよね?!
牛乳飲んだから大きくなるとか都市伝説だもんっ!」


「それ共感!
でも俺も3つ下に妹がいるけど、女なのに170センチあるから
可愛げがない~!小さくなりた~い!っていっつも嘆いているよ!
小さい女の子の方が可愛いって!」


「あ~!ソレってあるかも!
でも小さいと本当に不便!
本屋行っても1番上の段は取れないし
満員電車でも息苦しいし
人混みで前も見れないの!!!」


ふっと琴音の事を思い出して、笑顔がこぼれる。
もしかしてあいつも小さいから、高い所がよく見たくて俺の肩に乗っているのかな?



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