【完】ボクと風俗嬢と琴の音

ゲームに新しく追加されたキャラだって目をきらきらさせている琴子。
その画面の中には、可愛い系の王子様キャラが写し出されていた。
自分とは、正反対の。



「アルス、かっこいいぃ~ッ」

頬を赤らめて画面にキスを落とす。
ちくしょーアルス、羨ましいな。


「琴子のタイプって結構一貫してるよね」


「そう?
あ、でも可愛い系が好きかも~
金髪で、弟系で~そういうのが昔から好きだし~」


「琴子のタイプってどんなんなの?
現実で」


携帯の画面に視線を落としたまま、訊ねる。
出来るだけ何とも思ってないように、顔にださないようにごく自然に
ちらりと視線を向けると、あぐらをかいた琴子が「うーん」と頭をひねっていた。


「身長は、大きくない方がいい」


だから、それってすごくダメージになるし。
身長、今更削れない。
つか遺伝だし


「へ、へぇ~」


「だって大きいと見上げなくちゃいけないから、疲れちゃうんだもん」


マジで、ごめん。
心の中で平謝り。出来るだけ琴子の背丈に合わせるようにはしているんだが…

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