【完】ボクと風俗嬢と琴の音

「それでねー可愛いの。
アルス様のように金髪で」

いや、仕事上金髪とか出来ないだろ。
まぁ出来たとしてもぜってー似合わないからしねぇけど、さ。



「ちょっとおバカで抜けてるんだけど
いざという時男らしいの~
はぁ~アルス様可愛い~」


つまりは可愛い系が好きって事ね。
絶対になれないじゃん。
何となく琴子が俺と同居するのをオーケーした理由が分かる。
タイプ的に、論外って事で。


「昔指名してたホストに似てるなぁ~」


「へぇ、ホスト…」


「最近ぜんっぜん行ってないけどね。
でも付き合うなら弟系の方がいいなぁ~」


君、この間俺がお兄ちゃんみたいって言いましたよね?
RPGゲームで言えば、HPはもうゼロなんだけど。


「男らしいと言えば西城さんじゃん」


まぁ、他の項目は全く当てはまらないけど。
それに安心してる俺ってなんて小さな男なんだろう。背だけはデカいくせに。
肝っ玉や器は小さいなんて。


「大輝はーー…全然違う。
友達としては100点だけど、全然違うの。

それよりこのサシャ姫はハルのタイプどんぴしゃでしょ?」


友達として、か。西城大輝ザマーミロと心の中で毒づいて、自分はお兄ちゃんだって事実を思い出して勝手に落ちこむ。
琴子の言うサシャ姫というキャラはこのゲームのヒロイン的な存在で
お淑やかな女の子らしい健気なタイプの女の子。
ゲームのキャラだけど、その儚さがどこか山岡さんに似ているような気がする。

< 491 / 611 >

この作品をシェア

pagetop