【完】ボクと風俗嬢と琴の音


「琴子ー仕事はー?」


「今日は休み~
天気が良いから布団でも干そうかなぁ~っと。
ハル今日仕事なの?」


「休日出勤……」


とある晴れた日曜日。
最近忙しい、とハルは土日出勤が多くなった。
ブラック企業などど文句は垂れていたけれど、最近は仕事も楽しくはあると言っていた。
良い事だとは思う。


「へへへ。あたしは琴音と一緒に日向ぼっこするのです」


「ずっるー、じゃあ愛しのハニー琴音ちゃん行ってくるよ」


琴音を抱き上げて、鼻と鼻でキスをするのはハルの癖で
それは猫の挨拶でもあると言う。
けれどその挨拶も最近の琴音は嫌がって、ハルは猫パンチを頬に食らっていた。
琴音も、大人になった証拠なのだろうか。いや、でもまだわたしより小さい(当たり前だ)


「つーか、何か琴音、重くなった」


ハルの腕の中でジタバタする琴音。
その琴音を持ち上げて、神妙な顔つきで見つめる。
ふわふわの毛質。ある意味剛毛。猫の体重の平均なんて知らないけど
ふわふわだから体の肉はよく見えない。


ジトっとした目でハルが恨めしそうにこちらを見つめる。

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