【完】ボクと風俗嬢と琴の音
アニメや漫画。
そして小説や映画の趣味も似ていて驚いた。
音楽の趣味も合っていて
身長や見た目は全然違うのに、驚く程話が合った。
偏見かもしれないけど
イマドキのパリピ!っていう感じの女の子は
恋とおしゃれとカフェの事にしか興味がなくて
可愛い物をSNSにアップして見た目だけ取り繕っている子ばかりだと思っていた。
偏見なんだろうな…。
俺ってやっぱり物事を狭い角度でしか見れなくて
なんて小さい人間なんだろう。
自分の世界観にいない人間に苦手意識を持っていた。
けれど目の前で豪快に笑う彼女は、人とはどこか違って見えた。
酒をがんがん飲むのも、煙草を吸うのも、女らしくなくて下品で嫌いだって思っていたけれど
彼女はそんな自分を取り繕ったりはしていなかった。
俺のように周りの目ばかり気にして生きてるようには…見えなかった。
その自由さが琴音に少しだけ似ていて
自分がちっぽけな人間であると知らしめるんだ。
「なーに?!そこ盛り上がってるじゃん!」
俺と琴子が話しているところにやってきたのは早瀬で
一緒に山岡さんもやってきた。
オレンジ色の可愛い飲み物を持っていた彼女の頬はほんのり赤くなっていて
ふたりは俺たちの話の輪に入ってきた。