【完】ボクと風俗嬢と琴の音
ハルが手に取る物は、わたしの好みの物ばかりで
大人っぽいというよりは可愛らしくてガーリーで
そうだね。あれだけ一緒にいたら好みっつーもんも分かってしまうらしく
これもいいよ、あれもいいよ。と勧めてくる。
とはいえ数日後からは一人暮らし。
なおかつ、デリヘルのお仕事も後数日。
ぽんぽんと自分の好きな物を買ってる余裕なんてないわけで
「そんな金ねぇってば」
「買ってあげるよ。琴子の好きな物、いくらでも」
「なんだよ。マジで怖いんだけど、そんな貢ぎ癖があるタイプでしたっけ?
それにあれもこれも買ってもらったらハルのお金がなくなっちゃうでしょ~?」
「いいんだって。何でも好きな物買ってあげるから」
「あらそー?じゃあー高級ブランドのバックでも買っていただきましょうか~」
冗談で言ったつもりだったのに
ハルは大真面目な顔をして「いいよ」と呟いた。
マジでどうしたと言うんだ。