【完】ボクと風俗嬢と琴の音

「琴、ちゃんだっけ?!」


「こ・と・こ・です」


「あ!琴子ちゃんね~!
こいつと俺大学から一緒なんだけど、全然面白みのない男でさ~
話しててつまんなくね?!」


「別に……」


さっきまで笑っていたのに、明らかに琴子は不機嫌になっていて


「早瀬さんと井上さんって大学から一緒なんですか?!」


驚いたように尋ねた山岡さんもその話には興味津々のようで
あまり早瀬の口から、語って欲しくない過去でもあるのだが。


「そうだよー!
こいつって昔から根暗でさぁ~!こういう飲み会にも全然参加しなくって付き合いの悪い奴で
で、休日って何してんの?!って聞いたら家の掃除とかって言ってきて
お前は主婦か!って!」


げらげらと笑う早瀬と、愛想笑いの山岡さん。
その実態は今日山岡さんに実際見られたわけではあるけれど
人から笑って話されると、自分が恥ずかしい存在であるかのように感じてしまうから不思議なもんで



「それに昔からいい歳してアニメとか漫画が趣味でさぁ」


「へぇ~…でもあたしもアニメとか見ますよ?」


「違うって!結構マニアックなアニメとか見るの趣味でさぁーー
ちょっと気持ち悪いよね?
昔っから何考えてるのか分かんないっつか」


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