【完】ボクと風俗嬢と琴の音

「なにそれ…」


「琴音のミニチュアバージョン。ちょ~可愛いやん」


「確かに似てるけども」


「これがいいの!これが欲しい。
これがあったら琴音がいなくても寂しくないような気がする」


「琴子、琴音に会いたいんだったらいつでも会いに来ていいんだよ」


「何言っとるの?
ハルも引っ越すやろ。そしたら住所なんてわからんやん。
それに琴音は猫だけん暫く会わなくなったらあたしの事なんてすっかり忘れちょるよ」



ハルはそれ以上は何も言わなかった。
無言でそれを手に取って、レジまで持っていった。
琴音に似ている、ガラス細工。きっとこれで寂しい夜も琴音がいると思って超えていける。




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