【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「おい、アンタら何会社で青春ごっこしてんのよッ
佐伯は見積もり出したの?!
井上は会議の資料出来たのか?!」
その時、オフィスに入って来たのは木村さんで
俺と優弥の間に腕を組んで仁王立ちで立っている。
まさにお局の貫禄。
優弥は「ヒェッ」と情けない声を出して
立ち上がって、木村さんの前で笑顔を見せた。
「木村さん~ッ。僕の方はばっちりですよ~。
晴人と違って仕事はちゃんとしてますんで~」
「ふん、ならいいけどね。
ほんっと心配だわぁ~あたしがいなくなってこの営業部がちゃんと回るか
ほんっと心配すぎて夜しか眠れないくら~い」
「あ!聞きましたよ。
おめでとうございます。
本当に良かったですねぇ~」
「佐伯、その良かったは結婚おめでとうなのか?
それともこんなお局会社からいなくなっておめでとう
どっちなんだ?」
「そんなァ~!もちろん結婚おめでとうですって~
本当に結婚出来て良かったですねぇ~」
え?!!!
優弥と木村さんの会話の意味が分からなかった。
結婚?
会社からいなくなる?
木村さんが?