【完】ボクと風俗嬢と琴の音
急いで化粧を済ませて
着替えて、髪を整えて
鏡越しにチェック。
うん!今日も安定に可愛くない!
どこにでもいる何ら変哲のない顔で結構。
でもハルが褒めてくれた笑顔は、自分の顔の中でも唯一のお気に入り。
だから今日だって、辛い日があったって、笑顔は絶やさない。
自分自身と約束したことのひとつ。
新しい仕事を始めて早3か月。
金髪で長かった髪をバッサリ切った。
前下がりボブ。初めての髪型。
失恋したから髪を切ります、なんてもんじゃないけど、新しい自分で新しい生活を迎える為。
そして髪色も金髪から茶色にした。初めは見慣れなかったからか変な感じはしたものの、3日も経てば見慣れてくるものであって、最初にあった違和感は消えた。
ツケマは止めたけど、濃いアイラインは未だに止められない。
アイプチも必須。だって目が小さいんだもん。
ただカラコンは黒に近い茶色にしたし、前から見ればメイクも薄くなった。
これも髪型同様初めは違和感があったけれど、いつしか見慣れてしまうものだ。
ハルくらい目が大きければ、人生もっと違っていたかも…。いや、自分に持っているものを愛そう。そう思い始めてきた今日この頃。
いかがお過ごしですか?
変わりはないですか?
聞く術を自ら断ち切ったのは、自分自身だ。