【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「琴子ーーーー!!!」
その日の夜
久しぶりにユカリとご飯の約束をしていた。
久しぶりに繁華街近くに来て、ここで当たり前に生きていたのさえもう懐かしく感じてしまうのだ。
たった3か月の事だったのだが。
「ユカリ、元気~?」
「元気、元気~!
アンタやっぱ髪短い方が似合うね!なんかいい感じ」
「ふふ~ん、そう?お嬢様みたい?!」
「いや、お嬢様ではないけどさ」
「なんだよッ」
「ハハ、それより何食べにいく~?」
「え~どうしよっかなぁ~
外食自体久しぶりなんだよ~!めっちゃ節約してるんだから~
だって給料なんてこれっぽっちなんだよぉ~
食べたいもの沢山あるなぁ~」
「マジか。今日は奢るよ。なんかアンタすごい頑張ってるっぽいし
居酒屋行こうー!」
「やったぁー!!行こう行こう!でも明日も朝早いから早めに帰るけどね~」
「もぉ、すっかり真面目になっちゃってぇ」
ユカリの奢り、超嬉しい。
居酒屋なんて久しぶり。
大好きな大衆居酒屋で、おかずがいっぱいあるお店にユカリは連れて行ってくれた。
奢りだからって、唐揚げ、肉じゃが、炒飯、フライドポテト、サラダ。自分の好きな物を好きなだけ遠慮せずに頼んだ。
ユカリはほぼ口をつけずに、ビールばかり飲んでいた。
それとは対称的にわたしはご飯ばかり食べている。