【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「ウッマ~ッ」
「琴子って本当に美味しそうにご飯食べるよね。
なんかそれだけ気持ちよく食べてくれるとこっちまで気持ち良くなっちゃうわ」
「だってすごぉ~く美味しいのッ
それに食べることは生きる事なのだ。
ユカリもお酒ばっかり飲んでちゃ健康に悪いぞ」
「アンタに説教されるとか…
1年前までゴミみたいな生活をしていたくせに」
「もぉ~~~意地悪ばかり言わないのっ!
あ~スイマセーン、おにぎり下さい。梅の」
「まだ食べるの?!」
「成長期かもしれない。
そういえば身長少し伸びたような……」
「いや、伸びてねぇし」
「ユカリが意地悪するよぉ~
優弥さんよくこんな女と付き合ってられるわぁ~
きっと彼はドMなのよッきっとそうッ」
「アンタねー…
まぁ食欲もあるようだし、落ち込んでなくって何よりだけど…
むしろ元気すぎて拍子抜けするわ」
ユカリの顔を、口を開けたままポカンと見つめる。
相当アホ面だったに違いない。
ユカリは煙草に火をつけて、眉毛をハの字にして少し困ったように笑った。
「本当に、平気なの?」
「何が?」
「井上さんの事…」