【完】ボクと風俗嬢と琴の音
「別にそういった女なわけじゃないんだ。ただの知り合いっていうか、でも何となくこいつに頼んどけば何とかなるかなぁって
たまたま一人暮らしを始めたばかりでペット可のマンションに住んでるしって事で預かってもらう事になったんだ。
俺は必要な物を必要な分だけは買ってやれるけど、面倒つーのが見れない人間だから。
そしたらそいつは猫が嫌いだなんて言いながらも可愛がってくれて
でもやっぱり母猫からは十分に栄養は与えられていなかったらしく弱ってしまって」
「それで?どうなったの?」
「結局連れてきた病院に再び行ったら、そこの獣医さんがこの子の体調が万全になってある程度育つまでは無償でうちで預かるって言ってくれてな
動物病院だから何かあっても安心だろ。だから暫くは預かってもらう事にしたんだ。
そんで見る見るうちに元気になっていって、退院した。今じゃすっかり元気ですごく人懐っこい。
君んちにいた琴音猫とは大違いってわけよ」
「琴音の悪口は許せないけど…
ほんとぉに良かったねぇ!大輝が猫を飼うって意外すぎるんだけど」
「いや、結局は女んちいいる。
養育費は出しているが、ひとりで飼うのは怖くてな。
その女も嫌い嫌いと言いながらもこいつが可愛くて仕方がないと見える。
だってこいつ誰にでも懐くんだぞ?!
隼人にも会わせたら何の警戒心もなくすり寄って行って、宅配できた兄ちゃんにも付いていきそうな勢いで
それに…俺にも…
お腹の上に乗って眠ったりするから…まぁなんかなぁ…」