【完】ボクと風俗嬢と琴の音


「や、モテないし。
でも高校時代に彼女はいた事ある…
琴子さんは付き合ってる人いないの?」


「だーかーら!さんづけ止めろって!
気持ち悪い!琴子でいいって!琴音と琴子一文字違いだから呼びやすいだろ?!」


「こと、こ…。うぅ、女の子呼び捨てするってあんまりないから呼びづらい。
で、琴子はどうなの?」


「いや、いるわけないって!
仕事が仕事だし、付き合ってる相手もそれ知ったら普通は嫌がるからねぇ。
それに男とかしんどいし、ダルイ…。
それにモテないのー!!だって化粧外したらコレだよ?!」


「子供みたいで可愛いと思うけど…
あの化粧はちょっと怖いよ…。それにコンタクト外すと普通に目が黒いんだね。当たり前だけど」


「いや、それね。
生まれつき琴音みたいに緑色の綺麗な目に生まれたかったわ!」


「今日初めて見た時…琴音の目に似ているなって思ったんだ。
名前も一文字違いだし」


「そういやハルあたしの名前覚えていてくれたね」


「琴音と琴子だからね。
それに強烈な印象だったし」


「あははは~!強烈って!」


「今までに関わったことのない人種なんだ」


「あ~!それは人種差別ですぅ~」


「あ、ごめん…」



そう言ったら、本当に申し訳なさそうな顔をするから。
やっぱりこいつウケる。


< 87 / 611 >

この作品をシェア

pagetop