【完】ボクと風俗嬢と琴の音
なんつーか、破天荒な奴だよ。
破天荒な提案をしたのは自分の方だったけど。
日曜日の昼下がり。
不動産会社へ向かう。
出会ったばかりの俺たち。
今まで生きてきた人生において、こんな大胆な提案をしたのは初めてだし
提案をしたその足で、不動産屋に向かうとは夢にも思わず
琴子の行動力には、驚かされてばかり。
ここまで順調に物事が進むなんて、思ってはいなかった。この数か月、ひとりで悩み続けた。
でも琴子と出会って、一気に自体は急変する。
ひとりでは予算オーバーだった。お気に入りの物件。
2LDKという広さは勿論。リビングの日当たりが最高。
外に出れない琴音にとって、お日様を沢山浴びるのはとても良い事だし
千葉寄りの東京の物件は、都心よりもずっとお値段もリーズナブル。
最寄りの駅まで徒歩10分で、周りにはスーパーも何軒かあって
何よりも会社まで電車で1本で行けるのは有難い。
そして偶然にも琴子の職場へも電車で1本で行ける。