【完】ボクと風俗嬢と琴の音
俺たちはふたり。
同居に関する条件を決めた。
1、ふたりで暮らす家に他人はいれない。
2、一緒に暮らしているのは、友人家族などには秘密。
3、互いのプライバシーは守る。
4、共有スペースであるリビングは汚さない。 掃除は各自気づいた方がする。
5、他人であろうと一緒に生活をする上で出来る限り仲良くする(子供かよ)
6、家賃は必ず月初めに互いに回収する。金銭で揉めない為にそこはちゃんとする。
7、この同居生活は1年間。
8、なんらかの事情で1年以下で出て行く場合も家賃の半分は満期まで払い続ける。
意外にも、1年間というくぎりを決めたのは、琴子だ。
賃貸は基本的に2年契約だけれど、彼女はそこを譲らなかった。
その1年間の間に俺は、琴音と一緒に暮らす次の家を見つける。
そして琴子は琴子でひとりで自立出来るようにする、らしい。
何にも考えていないようで、意外にしっかりとした考えは持っているようで
1年の猶予があれば
琴音と一緒に暮らせるひとりの物件は見つけられそうだ。
’何事にも期限をもうけるってのは大切な事だよ’と俺より全然しっかりしてなさそうな琴子に指摘された。
自分はだらしないと豪語していた彼女だけど、そうでもないらしい。