Please eat me.~チョコレートは私~
私よりかなり離れた席で仕事をしている八杉課長をちらり。
今日はバレンタイン。
課長に渡そうとチョコは用意してきた。
なのにいまだに、それは机の引き出しの中で渡せそうにない。
「七原。
いつになったら終わるんだ?
お前が帰らないと、俺はいつまでたっても帰れないんだが」
くいっ、と黒縁ハーフリム眼鏡を八杉課長が上げる。
丁寧に前髪を後方に流し、セットされた黒髪はこんな時間なのに乱れはない。
眼鏡の奥の切れ長な目、すーっと通った鼻筋。
スーツの似合う彼はいわゆるイケメンって奴だ。
さらには二十八歳で課長となればエリートで、社内でも人気は高い。
……ただし、口を開けば出てくるのは嫌みばかりでそこは嫌われているけど。
「えっ、あっ、はい!
スミマセン!」
焦って、返事をする。
本当はもう、今日すべき仕事は終わっていた。
ただ、八杉課長にチョコを渡すタイミングがわからず、ずるずるとこんな時間になってしまっただけ。
今日はバレンタイン。
課長に渡そうとチョコは用意してきた。
なのにいまだに、それは机の引き出しの中で渡せそうにない。
「七原。
いつになったら終わるんだ?
お前が帰らないと、俺はいつまでたっても帰れないんだが」
くいっ、と黒縁ハーフリム眼鏡を八杉課長が上げる。
丁寧に前髪を後方に流し、セットされた黒髪はこんな時間なのに乱れはない。
眼鏡の奥の切れ長な目、すーっと通った鼻筋。
スーツの似合う彼はいわゆるイケメンって奴だ。
さらには二十八歳で課長となればエリートで、社内でも人気は高い。
……ただし、口を開けば出てくるのは嫌みばかりでそこは嫌われているけど。
「えっ、あっ、はい!
スミマセン!」
焦って、返事をする。
本当はもう、今日すべき仕事は終わっていた。
ただ、八杉課長にチョコを渡すタイミングがわからず、ずるずるとこんな時間になってしまっただけ。
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