エリートパイロットの独占欲は新妻限定
「まだ十一時だよ」
「いつまでも寝ていたらもったいないから――ひゃっ!」
由宇に掴まれた手を自分の方へ引っ張り、彼女をベッドに引きずり込んだ。抱きしめて腕の中に閉じ込める。
「もーっ、智也さん!」
「もう少しだけこのまま」
「ダメダメ。せっかくだからプールで泳ぎたいの」
よくよく見てみれば由宇は水着姿。ラッシュガードのパーカーを羽織ってはいるものの、すらりと伸びた足が惜しげもなく素肌をさらしている。しかもビキニだ。
「智也さんも一緒に泳ごう?」
ね?と腕の中で見上げる。
どこかねだるように見つめる大きな目は、智也と目が合うとわずかに瞳を揺らしてぎこちなく逸れた。
「由宇、もう少しだけ。ね?」
優しく呼びかけて額にキスを落とすと、頬がすぐに薄く染まる。そんな照れた様子がたまらなく愛しい。