エリートパイロットの独占欲は新妻限定


「……もうちょっとだけですからね?」


たまに混じる敬語も、渋々応じているように見えてじつは違うのも、かわいいのひと言に尽きる。
腕の中の由宇を抱きしめ、昨夜堪能したそのやわらかな感触をたしかめた。

幸せを噛みしめた約五分後。


「はい! そろそろ終わりでーす!」


きっぱり言いきり、由宇が智也の腕をするりと抜けていく。いたずらな目をして智也の手を引っ張った。


「一緒にプールに入りましょ」


いい加減に従わないと由宇も拗ねるだろう。まだだるさの残る体を起こし、まずはバスルームに向かった。


「シャワー浴びて目を覚ましてから行くよ。由宇はプールで待ってて」
「はーい」


由宇は素直に応じて外へ続くガラス戸を開けた。
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