エリートパイロットの独占欲は新妻限定


「俺は由宇しか見えてない」


智也の目が急に熱を帯びるからドキッとさせられる。でもそれはきっと……。


「責任感でしょう? お父さんに頼まれたから」
「由宇に対して責任ならもちろんある。この手できちんと幸せにするって責任はね。だけどそれは三杉さんから頼まれたからじゃない」


智也はきっぱりと否定した。


「俺は心から由宇を愛してるんだ」


冗談じゃなく、由宇の心臓が一瞬だけ動きを止めたように感じた。それだけ衝撃的で破壊力抜群の言葉だった。


「智也さん……」


由宇はほかになにも言えなくなる。


「どうしてここにいるのがわかったの?」
「マンションには帰りづらいだろうし、かといって由宇には実家もない。近くに絶対いるだろうと思ったんだ」


由宇の動向は、とことん智也に読まれている。
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