エリートパイロットの独占欲は新妻限定


うれしすぎる言葉が由宇の胸をいっぱいにする。


「はい」


そう答えるだけで精いっぱいだった。


「それからこれ。ありがとう」


智也が手にしていたのは、由宇がプレゼントとして用意していたパジャマだった。


「やっぱりそれ返してもらってもいい? ただのパジャマなの!」


香澄の腕時計と比べられたくない。


「なんで。一度もらったものは返さない主義だ。もちろん由宇もね」
「就職したらもっといいものをあげられるからっ。お願い」


いたずらっぽく笑う智也に手を合わせて懇願する。


「あの腕時計を気にしているなら、そんな必要はないよ。あれはもらってない」
「……そうなの?」
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