エリートパイロットの独占欲は新妻限定


「俺はどんな高価なものよりも、由宇のくれるものがいい」


智也はパジャマにかけられていたブルーのリボンをスルッと外し、それを由宇の手首に巻いて蝶結びにした。


「でも一番は由宇本人。今すぐ由宇がほしい」


智也に引き寄せられ、体が密着する。熱っぽい目で見つめられ、由宇の瞳がゆらゆらと揺れる。


「せっかく由宇がプレゼントしてくれたパジャマだけど、今夜は必要ないだろうな」
「着ない、の?」
「由宇も着させない」


智也はいたずらっぽく笑った顔を急に真剣な表情に変える。真っすぐに注ぐ智也の甘い眼差しが、由宇の鼓動をどんどん早めた。


「智也さん、お誕生日おめでとう」
「ありがとう。由宇は世界一かわいい。俺だけのものだ」


そう優しくささやき、由宇に口づける。それはこれまでで一番幸せで長いキスだった。
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