エリートパイロットの独占欲は新妻限定
「私が悪かった。余計なことを真島に聞かせたな。そういうつもりじゃないんだ。真島に押しつけようとは思ってない」
「違うんです」
右手を軽く振る和幸に向かって身を乗り出した。
「ここで会って話すようになって、素直でかわいらしい由宇ちゃんの魅力にどっぷりはまったと言いますか。……由宇ちゃん本人の気持ちは完全に無視してますけど」
父親である和幸に改めて白状すると、とてつもなく照れ臭い。そわそわと落ち着きなくお尻を動かした。
「今のは本気か?」
問われた智也は背筋をすっと伸ばす。
「本気です」
強い意志をもった目で見つめ返した。
「俺が死んだら、由宇には帰る場所がなくなる。泣かせたりしないと約束できるか」
「絶対に泣かせません。由宇ちゃんの居場所であり続けます」