エリートパイロットの独占欲は新妻限定


視線が絡まり合った数秒後、和幸は表情からふっと力を抜く。


「真島になら任せられる。どうか由宇をよろしく頼む」
「はい。責任をもって由宇ちゃんを幸せにします」


智也がそう答えると同時に病室のドアが開かれる。


「お父さーん、調子はどう? あっ、真島さん……」


個室のカーテンを開き、智也がいるのに気づいた由宇が微笑んだ。ほんのりと頬が桜色に染まったのは智也の勝手な思い込みか。

ほんわかとした優しい空気が病室を満たしていく。


「由宇ちゃん、こんにちは」
「こ、こんにちは。いつもありがとうございます」


慌てて頭を下げて、荷物をすぐそばにあるソファに置いた。


「今日はどこの国の話を聞いてたの?」
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