エリートパイロットの独占欲は新妻限定
大きなテーブルにひとりポツンと残された由宇は、ふぅと長く息を吐き出して椅子の背もたれに体を預けた。
本当にどうしよう……。
佐奈はさらっと言うが、それはきっと人ごとだからに違いない。それが佐奈自身だったら、絶対に困っていたはず。
『由宇だって真島さんを好きでしょ?』
佐奈の放った言葉を思い返して、訳もなく顔が熱くなる。しかも智也の顔まで頭にポワンと浮かぶからたちが悪い。
「違うから……!」
思わずそう口走って甘いホットココアを飲み干した。