エリートパイロットの独占欲は新妻限定


「その、真島さんってのはやめようか」
「あっそうですよね」


言われて気づく。由宇も真島だ。


「智也でいいよ」
「はい」


さすがに呼び捨てはできないから〝智也さん〟だろうな。


「……なんだ。割とすんなりだな」


どことなく残念そうな口調だ。


「え?」
「もっとこう、〝はずかしくて無理です〟〝いや、呼べよ〟とかいうやり取りを期待したんだけど」


星空の話をしたときのように、もっと反応してほしかったようだ。
智也が由宇の口真似までするから、おかしくて笑いが込み上げた。


「なんですかそれ」
「新婚ならではのイチャイチャ?」
「イチャイチャ、ですか」
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