エリートパイロットの独占欲は新妻限定


ストレートな言葉に顔が熱くなる。


「ぼかして言ったってセックスはセックスでしょ」
「繰り返さなくていいから!」


正論には違いないが、もう少しオブラートに包んでほしい。
少しばかり眉を吊り上げて佐奈に厳重に抗議した。

……ちょっと待って。もしかしたらそういったところが大人になりきれていない部分なの?

ふとそんな不安を覚えたものの、すぐに考え直す。

――ううん、大人と恥じらいは別もののはず。

うん、そうだと、ひとり大きくうなずいて納得した。


「由宇? なにひとりで百面相してるの」
「してませんっ」


クスクス笑われて慌てて真顔に戻す。


「それで旦那様としてないって本気で言ってる?」


コクンとうなずいた。
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