エリートパイロットの独占欲は新妻限定
「結論というものは意外と早いうちに決まっているものだよ」
「そんなの無理です」
首を思いきり横に振る。
「それなら今すぐ返事をさせてください」
ひと晩考えるまでもない。由宇は智也を真っすぐ見た。
「真島さんとは結婚しません」
彼のような男の妻は絶対に無理。そんな自信はない。
「そんな答えなら今はいらないよ。もう一度よく考えて。明日連絡するよ」
連絡ってどこに?と疑問に思ったそばから智也が付け加える。
「三杉さんからキミのスマホのナンバーを聞いているから」
思わず〝お父さんのバカー!〟と叫びそうになる。亡くなった人を責められやしないけれど。