メーティスの心
「ねえねえ、今度の休みの日にさみんなで遊園地に行かない？」

美咲が訊ね、透は「いいですね！」と笑う。この仕事は村田刑事が事件を持って来ない限り、引きこもりの生活なのだ。休日も引きこもりなので、外からの刺激がほしい。

「玲奈も行こう？」

美咲が言うと、玲奈は「仕方ないわね」と紅茶を置いて微笑む。透もニコリと笑った。

こうしてお茶を飲んでいると、寄生虫学者には見えない。女優などに見える。

「さて、遊びに行くのなら仕事は詰め込んで終わらせた方がいいわね」

玲奈が立ち上がり、透を見つめる。

「な、何だよ？」

「何だよじゃない。早く手伝え。あんたは私の助手でしょ？」

もう仕事をしようとする玲奈に、透はため息をつきながらも立ち上がる。食べかけのケーキは仕事が終わってからになるだろう。

「あたしも手伝うよ！」

美咲も立ち上がり、仕事が始まった。
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