田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー
「そういえば姉様は聞きました?アレックスの結婚式の日取り」
「えっ聞いてないわ!もう決まったの?」
「はい。春になったそうです」
春といえば私の誕生日に双子たちの誕生日もある。
そんなに行事を詰め込んで大丈夫だろうか?
…というか私たちの誕生日を忘れていないだろうか。
なんて不安が込み上がる。
「…あれ?アレクシスにシャルロット!こんなところで会うなんて奇遇だな」
聞き覚えのある声に私たち2人は振り向く。
そこにはエヴァンとジョシュアが立っていた。
彼らも私たちと同じように暇を持て余しているのだろうか。
「2人して雪でも見物してたのか?皇子と皇女であろう方々が」
そう言ってジョシュアはアレクシスの肩をぐいっと組む。
「やめろって!痛いだろ!エヴァン、見てないで助けろよ」
「俺には関係ない」
私はこの3人のやり取りを見ていて何だか微笑ましくなった。
幼なじみってどんな感覚なんだろう?
私にはそういう相手がいないから少し羨ましく感じる。
「アレクシスの言う通り雪を見てたのよ。…初めて見るから…」
「えっ、初めて…?」
私の言葉にエヴァンとジョシュアは驚いていた。
アレクシスは私と彼らを交互に見たりして焦っている様子だ。
…もう2人には本当のこと、話してもいいかな。
どっちが婚約者になろうがならまいが私にとっては大切な人。
真実を打ち明けてもいいかもしれない。
「明日、ゴールドヘアのところに来てくれない?大事な話があるから…」
「姉様!本当にいいんですか…?」
「ええ、もう決めたから。これ以上隠しておくのも悪いし…」
アレクシスは心配そうにしていたけれど弟の幼なじみだし、何より私が好きな2人だからこそ言っておきたいと思った。