田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー



「待って!あなたの名前、教えて!」





子どもの私の足では大人の足に追いつくはずもなく、男の子は停まっていた馬車に乗せられてしまう。

男の子も馬車の中から必死に何かを叫んでいるように見えたけれど、馬車はすぐに出発してしまい、結局男の子の名前を聞くことができなかった。





私はその後、男の子ともっと遊びたかったのと名前を聞くことができずにいたのが悔しくて大声で泣いてしまった。


その後すぐにラナがやって来て森へ帰っていったのだけど、帰り道や次の週から町へ出かける度に男の子の話をするものだから幼心ながら、その男の子に恋をしているんだなとラナは思ったらしい。



しかしその男の子に会えたのはあの1回きりで、私は時が経つにつれ、その出来事と恋心は忘れてしまっていったのだ。


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