田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー



そしてついに、オーフェリア帝国を統べるという皇帝陛下、皇后陛下…つまり私の父親と母親に会う時がきた。

私の目の前には一際大きな扉がある。

私は緊張で目線が泳いだりしてソワソワしながら扉が開くのを待つ。

基本的な礼儀作法は没落したと言えど貴族の端くれとして幼い頃から教わっていたし、先ほど細かくラナに叩き込まれたから大丈夫なはず…。



「シャルロット皇女様、ご帰還でございます!」



「…っ!」


扉を開ける騎士の言葉が聞こえると、目の前は既に広々としたフロアがあった。

私は1つ深呼吸するとゆっくりと前へ真っ直ぐ歩みを進める。

そして皇帝陛下と皇后陛下が座っている玉座が見えたところで立ち止まると、精一杯の優雅さを出して丁寧にお辞儀をした。


「皇帝陛下、皇后陛下、ただいまシャルロッ…」



「…シャ、シャルロットー!!」



「ええっ!?」



私の名前を呼ぶ声と突然の抱擁に素っ頓狂な声を上げてしまった。

あ、挨拶は!?
帝国の1番偉い人たちの前で礼儀作法はどうでもいいの!?
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