田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー
「ああっ、私たちの娘が…ようやく帰ってきてくれたわ…。もっとよく顔を見せて。…あぁ…この容姿、どう見てもシャルロット…。あの頃と全く変わりないわ」
興奮気味に話しかけてきたのは恐らく皇后陛下。
私を見つめるその顔は驚くほど私とそっくりで同じ青色の瞳をしていた。
「本当にその通りだな。よくぞ今まで無事でいてくれた。私が皇帝のアドルフだ。…ああ堅苦しい挨拶は今は良い。今は家族水入らずの時間だからな」
皇后陛下に続いて皇帝陛下までも玉座からわざわざ降りてきて、私の姿を見て微笑んでいた。
その姿は威厳に満ちた佇まいだったけれど、破顔した顔はとても優しいものだった。
…私の金色の髪は父親譲りだったんだ。
そういえば皇帝陛下の言う通り、この広い広間にはこの2人と、玉座の横に立つ男の人が2人だけ。
あの2人は誰なんだろう…?
「シャルロット、改めて私が母のルイーズよ。私たちのことは好きに呼んでいいわよ」
好きに…なんて言われるとどうしていいか分からない。
ましてや本当の両親だと言えど帝国の偉い方なら尚更だ。
でも無難に呼ぶとしたら…。
「で、では…お父様とお母様でよろしいでしょうか…?」
「まあ!なんて可愛らしいのかしら!娘にそう呼ばれるなんてとっても嬉しいわ」
どうやらお母様はすっかり舞い上がっているみたいだ。