田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー
「お父様!いくらなんでも早すぎますわ!私はまだまだ皇女として完璧ではありません!」
私は抗議をしにお父様の執務室で声を張り上げた。
「心配には及ばないよ。何も国外の者たちまで招待するわけでない。小規模なパーティーにするつもりだ」
慌てる私とは対照的に余裕そうに微笑んで私を見つめるお父様。
その小規模というのはオーフェリアにとってどの程度の規模なのか考えたらすぐに分かる。
大陸一、そして大陸を統べる国の貴族たちがどれだけの人数いるのか…今まで勉強してきたから想像しただけで血の気が引く感覚に陥る。
お父様にとっては小規模に思えるかもしれないけれど、私にとっては庶民感覚だからものすごく豪華なパーティーにしか想像できない。
それに今までは皇宮の中の人たちとだけ接してきたからパーティーに臨むならそれ相応の覚悟が必要だ。
「…私にはまだ国の皆さんにお披露目できるほどの自信がありません…」
「誰にでも初めてのことは自信がないというものだ。…でも私は知っているよ?シャルロットは毎日真面目にレッスンや勉強に取り組んでいると」
「お父様…」
「2週間後だ」
「え?」
「2週間後にパーティーを開く。それまでに準備を怠らないようにしておきなさい。いいね?」
「…かしこまりました…」
お父様の有無を言わせない圧に耐えられなくて、了解するしかなかった。
こうしてついに私が皇女として試される日取りが決められてしまった。
「(あと2週間で何とかなるのかな…)」
執務室を後にしてため息をつきながら廊下をとぼとぼと歩く…。
ううん…。こんなんじゃだめ。
途方に暮れている暇があるなら今までよりもっと自分を磨かなくちゃ。
私は夕日が沈んでいく空を見つめながら新たに決意するのだった。