田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー
「おいアレクシス、姉上に嘘を吹き込むな」
急に声がしたと思って振り返るとアレックスがアレクシスを睨んで立っていた。
部屋の扉を開けっ放しにしていたから話を聞いていたのだろう。
実はアレクシスの部屋を訪ねる前にアレックスの部屋を先に訪ねたのだけど不在だったのだ。
なぜ先に訪ねたのかというと何となくアレックスの方がきちんと教えてくれる気がして…。
「姉上、誤解しないで下さい。アレクシスがただ女性関係が華やかだというだけです。…ところで話は聞かせてもらいました。こんな下心あるようなやつと踊る必要はありません。俺と踊っていただけませんか?」
そう言って手を差し伸べるアレックス。
私的には最初からアレックスに頼む気満々だったので思わず手を取ろうとしたけれど、それを阻止するかのようにアレクシスが前に歩み出る。
「何言ってるんだ!姉様はわざわざ俺のところに来てくれたんだぞ。姉様、どうか俺と一緒に」
アレクシスも同様に手を差し伸べてくれる。
「えーっと…」
どちらか一方を断るなんてちょっと可哀想かな。
アレックスと踊る気でいたけれど、アレクシスの部屋を訪ねてしまったし…。
私は悩んだ末に2人と一緒にダンスレッスンを行うことにした。