田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー
「大丈夫ですか!姉上!」
「ア、アレックス…?」
恐る恐る目を開くとアレックスが私の身体を支えてくれていた。
おかげで固い床に倒れてしまうことはなかった。
「おいアレクシス、やりすぎだぞ。姉上はこういうことには慣れていないんだから」
アレックスは弟をたしなめるとすぐに私に目を向ける。
「お怪我はありませんか?…すみません、アレクシスに任せるのは間違っていたようです」
確かにアレックスがいなかったら今頃どうなっていたことやら…。
いろんな意味で。
アレックスは悲しげで心配そうに、私と同じブルーの瞳で見つめる。
アレクシスは挑発的でぐいぐいくる感じだけど、アレックスは紳士的で冷静な態度がスマートで、そこもまた私をドキドキさせる。
2人ともまだ15歳なのに女性をこんなに虜にさせるのは生まれ持った美形のせいなのだろうか。
それとも私にまだ男性の免疫がないだけ…?
「…姉上?」
「あ…何でもないわ。助けてくれてありがとう」
ふと我に返り、アレックスに支えてもらいながら立ち上がると今度は突然目の前に跪いているアレクシスがいた。
「すみませんでした姉様。もう少し丁寧にお教えするべきでした」
先程の態度とは打って変わって大人しく謝る姿に私は思わず動揺してしまう。
「いいのよ。私がぼーっとしてたのが悪いんだから」
アレクシスのことだし、ちゃんと反省しているのかはよく分からなかったけど、とりあえず今日は大目に見てあげよう。
もしかしたら本当に私の踊り方が悪かったのかもしれないし。