田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー
彼女は私の世話係であり、歳の離れた姉妹のようであり、家族のような存在だ。
私にはラナしか信じられる人はいない…。
すがるような気持ちで私は彼女の瞳を真っ直ぐに見つめた。
「はい!もちろんでございます」
ラナも私の真剣なまなざしを同じように返してくる。
私は頷き返すと馬車の扉の前にいる騎士の手を取って乗り込んだ。
そして後にラナも続いて乗り込むと、豪華な馬車の大行列は段々と森を離れていく…。
ラナの座る隣には小さなカバン1つしかなかった。
「(ああ…私、もう2度とここへは戻れないんだ…)」
そう直感で感じた。
今まで暮らしていた場所を急に離れると分かったら自然と涙がポロポロとこぼれてくる…。
そんな私を見て、ラナは優しくハンカチを差し出してくれるのだった。