田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー
パーティーが開かれるのは夕方から…。
私は段々と日が落ちていく空を見つめながら、続々と皇宮へ入る貴族たちを窓から見下ろしていた。
皇宮の門へ続く道は貴族たちの馬車で混雑している。
オーフェリアの貴族たちについては一通り頭の中に入っている。
勉強していた時から思っていたけれど、本当にすごい人数だ。
お父様が言っていた小規模とは私にとってものすごく大規模に感じる。
「2週間後なんて、お父様も急に言い出したけど、よく皆集まれるわね」
「皇帝陛下のご命令ですもの。逆らえる者などいませんわ」
「…それもそうね」
大陸の大帝国の皇帝陛下の命令に逆らうなんて殺されてしまうようなものだ。
父親として見ればあんなに穏やかなお父様だけど、皇帝としてはやはり威厳のあるお父様なのだろうか…。
そんなことを思いながら私とラナは静かに談笑する。
そんな中、廊下の向こう側から1人の人物がこちらに歩いてくるのを見かけた。
彼はなぜだか一瞬はっと驚いた表情を浮かべたが、すぐに身を正して私の前に跪く。
「お時間です、姉上。お迎えに参りました」
その言葉に私は小さく息をつくとイスから立ち上がり、差し伸べられた手に自分の手を重ねた。
「ありがとうアレックス。…それじゃあラナ、先に行ってくるわね」
「はい、行ってらっしゃいませ。私も遠くからですが見守っております」