田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー
その後は各自談笑したり、オーケストラの音楽に合わせてダンスを踊ったり、いかにもパーティーらしい時間が始まった。
私はというと1人になった瞬間、待ってましたと言わんばかりにあっという間に貴族たちに囲まれてしまった。
まあある程度は覚悟していたことなのできちんと1人1人と向き合い、挨拶を交わしていく。
「お噂通り皇女様はとてもお美しいですわね」
「そのドレスはどちらのものですの?」
「私、ラフェラー伯爵の娘でございます。ぜひお見知り置きを」
「満を持しての社交界デビューなんでございましょう?何か理由がありまして?」
群がる令嬢たちはこういったことを口々に話しかけてくる。
社交界デビューということでお母様には当たり障りのない話で留めておくといいと言われていたので深い話はせず、皇女スマイルで穏やかに会話を続けていた。
ちなみに私の出生の秘密に関しては一部の関係者以外国内外には公表していない。
今までは深窓の姫君としてずっと隠し続けていたようだった。
それを隠し続けて令嬢たちと話をするのはやはり気疲れするというもの。
しかし丁度そんな時に急に令嬢たちはきゃあきゃあと騒ぎ始める。
一体どうしたというのだろう。