田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー
「じゃあオレからお相手していただけますか?皇女様」
まず名乗り出たのはジョシュアだった。
満面の笑みを浮べる彼に安心して私は手を取り、ダンスホールへと向かう。
「まあ!皇女様がジョシュア様と踊ってらっしゃるわ」
「すごくお似合いね〜」
「私もジョシュア様と1曲踊りたいわ〜」
周りからはこんな声がひそひそと聞こえてくる。
やっぱり皇女というものと四大貴公子という組み合わせなだけあって注目の的になるようだ。
「皇女様、実はオレ…ダンスが苦手なんですよね。…きちんとエスコートできてますか?」
「ええ、ご心配には及びませんわ。踊りやすくて安心します。」
「なら良かったです!オレはこういう場より、剣を握っている方が好きなので」
「騎士団長のご令息ですものね。何となく想像できますわ」
何でだろう…。
初めてジョシュアと踊るはずなのに緊張しないで踊れてる。
あの私が!
弟以外の人と!
何だか嬉しさと自信に満ち溢れて、1曲踊り終えるまでとても短く感じるのだった。