田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー
「(どうしよう…。ダンスに全然集中できない…!)」
私がミスしそうになるとエヴァンは見事にフォローしてくれて、そのせいで時々唇が触れそうな距離になったりする。
今日のパーティーは私が注目の的、そして四大貴公子のエヴァンと踊っているということもあってその度に周りからは歓声が上がり、はたから見ると大胆なダンスを踊っているように見えているのだろう…。
そんな中、私は刺激の強いダンスを踊っているせいで脳内はもう何が何だか分からなくなりプチ混乱状態だ。
「大丈夫ですか?先程から顔が真っ赤ですよ」
ばれた…!
自分の異変に気づかれたせいで更に恥ずかしくなり、また頬が熱くなるのを感じる。
「(どうしよう…。もうまともに踊れる気がしないわ…)」
ダンスのステップが頭からすっかり抜け落ちて、このままだとエヴァンのフォローがあってもどうしようもならないと感じた時だった。
「皇女様、少し外の風に当たりましょう」
「ご、ごめんなさい…」
ダンスを途中で止め、タイミングよくそう言ってくれる。
助かった…と思うのと同時に私とエヴァンは注目を浴びながら人の間をするりと抜けてバルコニーへと出た。