田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー
「はぁ…」
パーティー会場の喧騒から抜けて一息つく。
穏やかな少し冷たい風がとても心地良い。
真っ赤になっていた顔がゆっくりと元の状態に戻っていくのを感じる。
そしてやっと落ち着いた頃にようやく私はエヴァンと向き合う。
「申し訳ありませんでした…。あのままではエヴァン様にまでご迷惑をかけるところでした…。バルコニーに連れ出していただいたこと、感謝しております。それにしても私も何であんなにミスばかりしたのか…」
オーフェリアの皇女があんなに踊れないなんて恥だ。
みっともない姿を見せてしまってエヴァンは幻滅しただろうか。
そう自分を情けなく思っていると、少しの沈黙の後、エヴァンはやっと口を開いた。
「いいのです。初めての社交界できっとお疲れだったのでしょう」
私を気遣ってくれたのだろうか。
彼は何とも思ってないかのように静かに微笑んだ。
「そんなっ…私が不甲斐ないせいです。エヴァン様のお顔に泥を塗ってしまったようなものですわ…」
彼の優しさが逆に私の心に沁みるようだった。
合わせる顔がなくて俯いてしまう。