田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー
「では、1つ教えていただけませんか?」
「えっ…」
彼の言葉に横を向くとエヴァンは真剣な眼差しで私を見つめていた。
どうしてだろう…。
夜の闇色に彼の金色の瞳が映えるからだろうか…
。
なぜか瞳を逸らすことができない…。
「どうして急に社交界へ…?今まではどんな暮らしをしていたのですか?」
「そっ、それは…」
私の出生の秘密を知りたがっているの…?
それに何の意味が…?
「お答えできないと言ったら…?」
「では答えていただくまで待ちましょうか。どういった手段でも構いませんね?」
その言葉にドキリとするとエヴァンはバルコニーの手すりに手をかけて、もう片方の手で私の顎をつかむ。
「なっ、何をするのですか…!無礼な行為だとは思わないのですか!?」
突然のスキンシップに驚くものの、冷静に皇女としての体裁を保つ。
でもそんな態度とは裏腹に心臓の音はどんどん早くなっていく…。
「ではこの手を払いのけてください。そうすれば良いだけです」
「…っ」