田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー



「お父様!私、決めました!」


「おお!一体誰と…」


「私…エヴァン様とジョシュア様を婚約者"候補"に致します!」


「こ、候補とは…」


「私に直接結婚を申し込んでくれた方ですし、どちらかを選ぶのはまだ難しいのです。なので私に2人のどちらかを選ぶ時間をください。…その間はまだ皇女として、お父様の娘としていたいのです…」




我ながら良い案だと思う。
今すぐ結婚はしたくないし、まだまだ家族としてお父様たちとの時間も大切にしたい。
そしてその間に婚約者を選ぶのだってできるはずだ。




「なるほど、確かに良い案ではあるな。では婚約者を決める期間は?」


「1年以内…ではだめでしょうか?」


「1年か…分かったその通りにしよう」


「本当ですか!ありがとうございます!」



すんなりと許しを得られて、ほっと胸を撫で下ろした。
こういうことは何かと問題があると思っていたから拍子抜けだ。
それともお父様は皇女としての私を認めてくれた…信じてくれたから意見を聞き入れてくれたのかな。



「お父様、その大量の手紙のお返事は私が直接断りを入れておきますわ。お父様はいつも通りご公務をなさってください」



そう言って私は机の紙をかき集めて両腕に抱える。
1つ1つは小さな手紙なはずなのに意外とずっしりと重みがきて腕がつりそうだ。
でも全て私宛ての手紙なんだし、扱いは丁寧にしないとね。



「病み上がりなのだから無理はしないのだよ」


「分かってますわ。では、失礼します」



私は何とか扉を開けて執務室を後にするのだった。


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