田舎娘が大国の皇女様に!?ー皇女の暮らしは毎日刺激的ですー



「ちょ、ちょっと苦しい…」


「…ああ!ごめんっ」



するとジョシュアは我に返ったかのように素早く腕をほどいて私と距離をとった。

心なしか彼の頬が少し赤くなっているような気がする。

見間違いかどうか確かめるために私はそっと頬に手をやった。





「うわっ!何するんだよ!」




思った通り頬は熱くなっていた。

私だけが1人でドキドキしていたんじゃないんだと思うと何だか嬉しくて思わずくすっと笑みが溢れる。




「ごめんなさい。勝手に手が伸びてしまったわ」


「…絶対わざとだろ」


「ふふっ。…さっきはありがとう、助けてくれて」


「当然のことだよ。でもオレのマントだけで済んで良かった。もしもシャルロットの身体に傷なんてつけたら…考えるだけで恐ろしいよ。」




私だってもしマントだけじゃなくてジョシュア自身が怪我をしてしまっていたら…。

そう考えると心臓が止まりそうだ。

今回は運が良かっただけなのかもしれない。




隣に座るジョシュアのボロボロになったマントは私たちを守って犠牲になってしまった。



何か私に恩返しできることはないかと考えているとある案が思い浮かんだ。





「ねぇ、そのマント、私が直してもいいかしら?」


「えっ、いいよいいよ!代わりのマントなんて沢山あるし、わざわざ皇女様の手を煩わせることはないって!」


「私が直したいのよ!ほら貸して」


「あ…うん」



私は半ば強引に受け取ると丁寧に折りたたんだ。




「直したらすぐに返すから心配しないで。あ、あとお裁縫はできるから大丈夫よ!だから…」




「ありがとうシャルロット。…優しいんだな。こんな奥さんがいたら毎日幸せなんだろうな」




そう言うとジョシュアはまた前みたいに頭をポンポンと撫でる。

その行為に今度は私が頬を赤らめるのだった。


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