絶望を希望で…



『って毒牙が言ってた。』

凛「由依…巻き込んでごめんな。」

由依「んーん…大丈夫だよ凛くん。」

凛「…輝夜、俺が悪いのは良くわかってる。

だからっ…『無理だね。』…えっ…」

『この状況でこの子を姫にして何の得がある?

月光を危険な目に遭わすわけにはいかないんだ。』

凛「くっ…そ、それは分かってる。でも…」

『こうなってしまった以上仕方ない、だろ?』

凛「…あぁ…。」

劉「まぁ…良いんじゃない?」

『劉なら賛成するだろうと思ったよ。

なら悪いけど、私は月光を抜けさせてもらうよ。』

劉「は?」

玲「それは無責任じゃねぇか。」

新「僕もそれは反対だよ…。」

『ハァー…めんどくさいねお前たち。

そこが可愛いんだけど。』

凛「…???」

『…由依ちゃん。』

由依「え、あ、はいっ!」

『月光は世界一、いわばどこよりも強い族。

危険なことだらけだし、嫌われることだってある。

それでも…耐えられるってんなら良いよ。』

凛「輝夜っ…」

玲「……何か…違うような…」

『どうしたの玲。』

玲「いやっ、まぁ、大丈夫だろ!」

『思うとこあるなら言いなよ?』

玲「…いや、さ。何で由依ちゃんの存在が

広まってんの?何で凛が生きてることが世に、

世間に広まってんの?…って思って、さ。」

『そりゃ一つしかないじゃん。』

玲「…?その理由って…?」

『凛。由依ちゃんとつ、きあい始めた、のは、

いつ?』

凛「あ…ぁ、確か…この学校戻って来てからだ。」

『ってこーとーは…クラスだ。』

玲「…クラス…?」

劉「待てよ…それってまさかっ!」

『クラスに間宮組との内通者が居る“かも”ね。』

新「…だとしたら怪しいのはあの人だ。」

劉「あいつが!?でも…いや、信じたくねぇよ。」

『だれ、なの?』

新「“まみやしゅんた”だよ。知らない?」

『朝陽の幹部の!?』

玲「苗字は一致するし…黒目で見て良いな。」

凛「いや、あいつは違う。だって…」

『だって、何よ。』

凛「あいつは「私のお兄ちゃんですっ!」…。」

『…え?』

凛「それに漢字も違う。

あいつの苗字は“間宮”じゃなくて“真谷”だ。」

新「ぼ、僕の早とちりだったねっ…ごめんっ」

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